HP Aruba製 アクセスポイントの 集中管理型と仮想コントローラ型のメリット・デメリットに
ついて解説していきたいと思います。
目次
アクセスポイントとは?
分かりやすいサイトがあったので、そちらを掲載します。
アクセスポイント
アクセスポイントは、スマートフォン、ノートパソコン、ゲーム機などの無線LAN(Wi-Fi)機能が付いた端末をWi-Fiに接続するための機械です。アクセスポイントを設置することで、有線LANと無線LANを相互に変換する役割を果たし、Wi-Fi接続が利用できるようになります。アクセスポイントは、「親機」や「基地局」などとも呼ばれます。
無線LANルータ
アクセスポイントと混同しやすいものに、ルーターがあります。ルーターとは、パソコンやスマートフォンなどの端末をインターネットに接続するための機械です。外部のインターネットと家庭内LANとを仲介して接続します。最近では、アクセスポイントとルーターの両方の機能が備わった「無線LANルーター」が一般的です。
アクセスポイントとの違いは、無線LANルーターにはアクセスポイントとルーターの機能が備わっているのに対し、アクセスポイントだけの機能しか持ちません。そのため、家庭では両方の機能をもつ無線LANルーターが使われています。
参考URL:Wi-Fiのアクセスポイントとは ルーターとの違い
会社内でアクセスポイントを利用するシーンとは
主にアクセスポイントに接続するデバイスはノートPC(モバイルPC)やタブレット、スマホ、その他のデバイスです。
ひと昔前はデスクトップPCを利用している会社が多かったですが、最近ではノートPC(モバイルPC)を導入する会社も増えてきています。
その理由は設置スペースを多くとらない、会議や別のフロアで作業する際に持ち運びが簡単。HUBやLANケーブルなどのインフラ設備を導入する必要がなく、簡単にネットワークアクセスが出来るので業務効率が捗ります。
私が務めている現場でも今後、ノートPC(モバイルPC)を導入する計画があります。
ただし、以下のことを注意する必要があります。
無線LANで利用する場合、DHCPで接続するパターンが多いと思いますので、DHCPサーバーにて利用できるIPアドレスを利用者分、確保しておく必要があります。
HP Aruba アクセスポイント 集中管理型、仮想コントローラ型とは?
集中管理型と仮想コントローラ型について解説します。
集中管理型
複数のアクセスポイントを無線LANコントローラで一元管理することが可能です。
アクセスポイントが50台以上の場合は、こちらの構成にするパターンが多いようです。
仮想コントローラ型
1台のアクセスポイントが仮想コントローラとして機能します。(1番初めに起動したアクセスポイントが仮想コントローラになる)
アクセスポイントが50台以下の場合は、このような構成にするパターンが多いようです。
無線コントローラを導入しなくとも1台のアクセスポイントが仮想コントローラとして稼働し、各アクセスポイントを管理する事が可能です。
HP Aruba アクセスポイント 集中管理型、仮想コントローラ型の構成
集中管理型と仮想コントローラ型の機器構成を以下に掲載します。
●集中管理型(無線LANコントローラを利用するパターン)
AP-305はアクセスポイントです。
Aruba7205-jpは無線コントローラです。
●仮想コントローラ型(無線LANコントローラを利用しないパターン)
IAP-305はインスタント用のアクセスポイントです。
集中管理型、仮想コントローラ型のメリット・デメリット
集中管理型のメリット
- アクセスポイントを一括管理することができる。
- 仮想コントローラ型と比べ、アクセスポイントの詳細な情報を無線コントローラで確認・管理することができる。
- 最大アクセスポイント数は2048台(Aruba7240構成時)
- ネットワーク疎通が可能なら複数セグメントも管理が可能
- 最大同時接続数は32768ユーザーまで
- 最大SSID数は8or16個まで
集中管理型のデメリット
- 無線コントローラの導入費用がかかる
- 無線コントローラのメジャーバージョンアップ後、コントローラを初期化して再設定する必要があり、簡単にメジャーバージョンアップが実施できない。作業は外部業者に依頼する必要がある。
- アクセスポイント1台につき、1ライセンスが必要となる。ライセンスが枯渇した場合、追加したアクセスポイントの利用ができない。
- 無線コントローラが故障した場合、全アクセスポイントの利用が出来なくなる。
仮想コントローラ型のメリット
- 無線コントローラを導入する必要がないため、導入費用がかからない。
- バージョンアップ実施時、対象のファームウェアファイルをインストールさせることで、バージョンアップが可能(ファームウェアアップデート後は、全アクセスポイントの再起動が必要)
- ライセンス管理が不要。
- アクセスポイント1台からでも運用が可能。
- 仮想コントローラが故障しても、他のアクセスポイントに影響がない。
仮想コントローラ型のデメリット
- アクセスポイントの設計によるが、アクセスポイント初期設定時に管理VLANを設定する場合がある。例:setenv uplink vlan <vlan番号>
- アクセスポイントを最大で100台までしか管理できない。推奨は1クラスタあたり50台。
- 同一セグメントでしか接続できない。例えば、管理vlanが192.168.1.1/24のセグメントの場合は、アクセスポイントのセグメントも同一にしなければならない。
- 最大同時接続数は2000ユーザーまで
- 最大SSID数は8個まで
まとめ
集中管理型と仮想コントローラ型について解説しました。
私が務めている現場でも集中管理型と仮想コントローラ型の2種類を利用して運用しています。
規模が小さい拠点なら仮想コントローラ型の方がおススメです。
なぜなら無線LANコントローラ・ライセンス費用もかからず、アクセスポイントだけ購入するだけで運用が可能になるからです。
仮想コントローラ型のデメリットでも解説しましたが、初期設定時に管理vlanを設定する場合があります。私はこれを知らず、長時間ハマりました。。
PoEスイッチとアクセスポイントをtrunkで設定している場合は、uplink vlanコマンドを投入する必要があるようです。
既に設置しているアクセスポイントの設定内容を確認して、設定コマンドが必要か確認しておいた方が無難です。アクセスポイントの初期設定コマンドも掲載しておきます。
IAPとAPに組み合わせについて教えてください。
例えば、仮想コントローラ型のIAP-205に、アクセスポイントのAP-205は管理対象アクセスポイントとして登録可能でしょうか?
Arubaの資料を読むとIAP同士でクラスタを組んでいる構成が多く、IAPとAPを組み合わせた事例は見当たりませんでした。
コメントありがとうございます。
仮想コントローラ型のIAPにAPを組む事は出来なかったと思います。
逆にIAPを集中管理型のAPに変換し、利用することは可能です。